あなたはきっと気が付いていないでしょう。
こっそり撮った、これは私の宝物。
　
秋の短い日は落ちて、夕焼けの名残も残らない
どんより曇った夕暮れ時。
あなただけがまぶしく美しく、まるで地上の虹のようでした。
鋼様の館からルヴァ様とともに出てこられたあなたは
楽しそうに話ながら、あっという間に通り過ぎてしまわれたの
ですけれど。
・・・ここにひっそり佇んでいる私に気が付くまもなく。
　
　
あなたが女王試験の為にこの飛空都市に降り立った日のことを
私は昨日のことのように覚えています。
絵姿で知っていた方々ではありますけれど、この目でじかに見た
守護聖様たちはどなたも麗しく、なるほど皆さま選ばれるだけの
輝きをお持ちなのだと妙な感心をしたものです。
なかでもあなたは、身につけた宝飾を圧倒して内側から
ひかりかがやき、まさしく美と夢を守護する方なのだと一目で
納得いたしました。
その日からずっと、気が付くと私はあなたの姿を追い求め
叶わぬ思いを胸に暖めてきたのです。
　
でも、それも今日でおしまいです。
わけあって女王試験の終わらぬうちにこの都市を去る私ですけれど
後輩にはちゃんとあなたの好物トロピカルフルーツパフェのレシピは
伝えてあります。
ですからどうぞお仕事にお疲れになったら、公園奥のカフェテラスへ
おいで下さいませね。
　
あなたがいつまでも美しく、輝いていらっしゃいますように。
ステキな夢をありがとうございました。
だいすきな、大好きなオリヴィエさま。
　
　
　　

１３５００ＨＩＴきりリクにお応えして、アンジェリーク「１」のオリヴィエ様です。
秋だからちょっとセンチメンタル〜なＳＳ付きです。
イラストを描きながらいろいろ思い出したりして（笑。
　
リクエストを下さったのは榊　優一さまです。
こういうオリヴィエ様はいかがでしょうか？