それは、思いもかけない
・・・いえ
頭ではわかっていたはずのことだったのに。
　
怨霊からかばおうと
思わず両手で掴んだあなたの肩の
毀れてしまいそうな細さに
私は打ちのめされたのです。
　
どうして
あんなにも華奢なか細い肩に
神子という重い荷を背負って
あなたは笑っていられるのでしょう。
あなたのそのいつも優しくこぼれる笑顔に
私はいつか思い込んでいたのです。
神子は特別な存在なのだと。
　
あの日以来
あなたと目を合わせられない私を許してください。
両手に残るあなたの肩の細さが
不甲斐ない私を責めるのです。
それはとても辛いことなのに
気づけば私は
あなたの事ばかり考えているのです。
　
あなたを守りたい。
　
まるで世界にこの言葉しかないかのように
あの日以来
私の胸に浮かぶのはただそれだけなのです。