咲くそばから色褪せもしないうちに落ちる花を
ただ、そういうモノだと思っていた。
　
花は咲き、そして散る。
ただそれだけのことだと。
　
お前がここに来て２度目の春がくる。
桜花とともに京に舞い降りた龍神の神子。
お前と過ごす日々の中で私の胸に灯った
この心満たす暖かなモノはいったい何なのだろう？
　
季節は巡りゆくもの。
それが自然の摂理であり、
揺るぎない事実であるのに。

過ぎゆく冬を惜しみ、落ちた花を惜しむ
この不可解な想いは一体どこからくるのだろう？
　
お前と歩く季節はなぜあんなにも、眩しいのだろう。
どうしてこんなにも、全ての命がいとおしくも思えるのだろう。
　
愛おしいと思う。
守りたいと願う。
誰よりも、何よりも。
　

神子、お前を。